改正民法【不動産賃貸業に影響を及ぼす諸改定】その2
不動産お役立ち情報
改正民法【不動産賃貸業に影響を及ぼす諸改定】
賃貸借物件の修繕関するルールの明文化
① 貸主の修繕義務の対象から『借主の責任で必要となった修繕」を除外
賃貸借物件に修繕が必要となった場合、基本的に貸主に修繕義務があることは当然ですが、借主が故意に物件を傷つけた、あるいは借主の過失が原因で物件が損傷を受けた場合は、貸主は修繕義務を負わないとする明文規定が現行民法にはなく、この点は必ずしも明らかではありませんでした。
そこで、今回の改正で、借主の「責めに帰すべき事由」(故意や過失)によって修繕が必要となった場合は、貸主は修繕義務を負わないことが明記されました。
② 借主の修繕権を認める規定の新設
現行民法では、借主が自ら費用を支払って賃貸物件の修繕をした場合に、その費用を貸主に請求できる権利が認められているにもかかわらず、借主自身が修繕を行うことを認める規定がありません。
そこで、次のa又はbの場合には借主が修繕を行うことができる旨を定めた規定が新たに設けられました。
a 修繕が必要であることを借主が貸主に通知し、又は貸主が修繕の必要を知ったにもかかわらず、貸主が「相当の期間」内に必要な修繕をしないとき
b 急迫の(せっぱつまった)事情があるとき